「最新医療機器」と専門医による「医療」

感染症情報2010・8.9

2010.08.09

みなさんこんにちは! 呼吸器専門医の石田一雄です。 本日は、感染症情報です。ここしばらく、小児にウイルスによっておこる、ヘルパンギーナと手足口病が小流行していることを報告してきました。現在もその状況は変わりませんが、成人の方でも、ときどき子供さんなどから感染したのかなと考えられる方がいらっしゃいます(昨日、静岡県某市の救急センターでそういう経験をしました)。成人が感染しても、症状はごく軽い場合がほとんどですが、喘息など慢性の呼吸器疾患のある方だと、そちらが悪くなる場合がありますのでご注意ください ....

帰省と喘息

2010.08.06

みなさん、こんばんは!呼吸器専門医の石田一雄です。現在、静岡県のある救急センターで当直中です。 本日、おじいさんに連れられて喘息発作の子供さんがやって来ました。聞けば、一人で泊まりに来ているとのこと。この時期、こういう患者さんが増えます。お客さん用の、押し入れに保管された蒲団の中に溜まった埃やダニ、カビ胞子が原因と思われるのですが、これらは、何日か日干ししてもなかなかとれません。 田舎のおうちに泊まる機会の増えるこの時期、帰省先での喘息発作、目のかゆみ、鼻アレルギーの症状に注意していただくように ....

感染症情報2010・8・3

2010.08.03

感染症情報です。 今年は、小児のヘルパンギーナ、手足口病がここ数年来の中でも患者数が多い状況です。 インフルエンザの流行は報告ありません。 手足口病は、もっともありふれた夏場の小児感染症です。コクサッキーウイルス、エンテロウイルスが原因です。ウイルス性の病気ですので、抗生物質は無効です。 人から人へは、主に口腔咽頭からの飛沫感染で広がりますが、これらのウイルスは、症状が消失後も数週間糞便中に排泄されますので、特に、お母さん方は、手を介した感染に注意されてください。 以上、感染症情報でした。

妊娠と喘息

2010.08.02

みなさんこんにちは!! 呼吸器専門医の石田一雄です。 今回は、妊娠と喘息についてです。 最近の研究では、妊娠すると喘息患者さんの1/3が不変、1/3が改善し、残り1/3が悪化すると判明しています。最近では、妊娠中にも安心して使用できる喘息治療薬があり、安心して妊娠できます。 喘息治療薬も進歩しましたが、妊娠中の喘息患者さんが注意することは、環境の整備(以前の記事を参照してください)とたばこの煙を回避することです。煙草の煙は、喘息治療薬の効果を打ち消してしまうことがわかっており、妊娠中に煙草の煙を ....

感染症情報2010・7・29

2010.07.29

皆さんおはようございます。 本日は、感染症情報です。 現在、成人の方が警戒すべきインフルエンザなどの感染症は流行ありません。 子供さんは、ヘルパンギーナが相変わらず多いです。 あと、おたふくかぜが増加しています。 おたふくかぜと言えば、私がかかったのは小学2年生の時でした。 最初、確か左側が腫れて、39度前後の発熱が、4,5日続き、ようやく、37度台に低下したのが忘れもしない、土曜日でした。 翌日の月曜、今度は右側が腫れて38度の発熱が起こり、『どうしよう、死んじゃうかも・・・』と子供心に深刻に ....

子供の喘息の行く末はどうなるの?

2010.07.27

みなさんこんにちは、呼吸器専門医の石田一雄です。 今回は、小児喘息の予後=行く末についてです。 わたしが、大学生ごろまでは、喘息は子供の病気で、ほとんどが大人になると治るといわれていた時代がありました。その後、小児喘息の患者さんが大人になってからどうなるかという調査が行われ、その結果、以下のことがわかってきました。 小児喘息の6割から7割の患者さんが、中学から高校にかけて、薬が不要な状態(寛解といいます)となります。小児科の先生から、喘息が治ったから通院しなくていいよと言われるわけです。ところが ....

感染症情報

2010.07.26

こんばんは!! 呼吸器専門医の石田一雄です。 今回は、感染症情報です。 小児に、夏風邪の代表例であるヘルパンギーナが増えているようです。 昨日の日曜日に静岡県某市で働いてきましたが、やはり、情報通り子供さんのヘルパンギーナの来院が多かったです。 今のところ、インフルエンザは鳴りをひそめております。 やはり、一番警戒すべきはインフルエンザの流行ですが、今のうちから、 予防法である以下の事柄を習慣にしていただきたいです。 外出から帰ったら、まず十分に手を洗う。大体20秒以上かけて、 特に、指先、指の ....

誤嚥を起こしにくくする食事時の注意

2010.07.25

先日、高齢の男性の方が肺炎を起こして受診されました。 脳梗塞を以前起こしたことがあるとのことで、食事中にむせたりしないかご家族に伺ったところ、むせながら食べているとのことで、誤嚥が原因の肺炎でした。 以前にも、誤嚥が原因で起こる誤嚥性肺炎のことについて書かせていただきましたが、今回は、誤嚥を起こさない食事のときの注意点についてです。 特に、脳梗塞を起こされている方、そうでなくてもご高齢の方は、若いころにはなかった食事の時のむせが生じることがあり、このときに誤嚥が生じる場合があります。 嚥下運動は ....

頭痛、痛み止めと喘息

2010.07.23

みなさん今晩は!! 呼吸器専門医の石田一雄です。 先日、夜間当直中、頭痛が出たので、昼間に処方された痛み止めを飲んだら苦しくなったと受診された30代の女性の患者さんがいらっしゃいました。 聴診上は、喘息と思われたので、『風邪をひいたときに苦しくなったり、せき込みのせいで、目が覚めたりしませんか?』と伺ったところ、『えっ、風邪をひくと皆そうなるのではないのですか、私の親は風邪をひくとそうなるのが当たりまえと言っていたのですが?』との返事が戻ってきて、この方に、親御さんもご自身も喘息なのでそうなるの ....

喘息の正体5

2010.07.22

みなさんこんにちは!呼吸器専門医の石田一雄です。 今回は、喘息患者さんの意外な生活上の注意点についてです。 喘息の特徴の一つにちょっとした気温差等の刺激で咳が出ることがあげられます。 このちょっとした刺激とは、匂いも含まれます。 ン、匂いって、もしかして? そうなんです、実は、私の患者さんの中には、香水、オーデコロン、線香等で咳こみが止まらなくなった経験ある方がいらっしゃいます。 喘息の患者さん方、ご法事での線香の匂い、コンサート会場での香水やオーデコロンの匂い等には気をつけて下さい。咳こみが止 ....
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