「最新医療機器」と専門医による「医療」

頭痛、痛み止めと喘息

2010.07.23

みなさん今晩は!!

呼吸器専門医の石田一雄です。

先日、夜間当直中、頭痛が出たので、昼間に処方された痛み止めを飲んだら苦しくなったと受診された30代の女性の患者さんがいらっしゃいました。

聴診上は、喘息と思われたので、『風邪をひいたときに苦しくなったり、せき込みのせいで、目が覚めたりしませんか?』と伺ったところ、『えっ、風邪をひくと皆そうなるのではないのですか、私の親は風邪をひくとそうなるのが当たりまえと言っていたのですが?』との返事が戻ってきて、この方に、親御さんもご自身も喘息なのでそうなるのですよと納得していただくのに大変な思いをしました。

なるほど、喘息という病気は、体質的な病気なので、家族で喘息を共有する場合があるので、まさに家族の中でのみ通用する常識(この場合は、風邪をひいたときには、苦しくなったりせき込みのせいで、目が覚めたりするのは当たり前)が作られるのだな~と妙に心に残りました。

あと一つ、この患者さんは、痛み止め(鎮痛解熱剤)で喘息が誘発されていて、こういう状態をアスピリン喘息(アスピリンは代表的鎮痛剤)であるといい、鎮痛解熱剤で誘発され重症化しやすいため、特に注意が必要な喘息の病型です。

成人女性に多く、子供では極めてまれです。副鼻腔炎や鼻茸など鼻に問題を抱えている喘息の患者さんはアスピリン喘息の可能性が高いといわれています。

今回の患者さんも、アスピリン喘息の発作でしたので、アスピリン喘息のときに使用すべき薬物を使用して治療にあたりました。通常の喘息発作の時に使用する薬物では、喘息発作が逆に悪化するので注意が必要なのです。

しかしいつも思うのですが、なぜ我が国では、頭痛が起きるとすぐ痛み止めになるんでしょうか。30代、女性となると片頭痛が多いですし、喘息には片頭痛が合併することが多いことも知られていて、片頭痛には、片頭痛治療薬を使用すべきで簡単に鎮痛剤で対応しないほうがいいのですが・・・・・

追伸―現在、私の勤務する医療機関(火曜日は除く)にて、診療を受けていただいている患者さん方へ

突然で大変申し訳ありません。本年8月20日をもって退職することになりました。当初予定より10日ほど繰り上がってしまい、みなさんに御迷惑をおかけして大変申し訳ありません。

なお、10月1日より小田急線新百合ヶ丘駅南口より徒歩1分圏のイトーヨーカドー前のビル(1階がみずほ銀行)4階で開業予定です。

この件についてのお問い合わせについては、私のメールアドレスyasuoishidasusukino1@air.ocn.ne.jp にメールをしていただくか、お渡ししている生活指導の名刺に載せている携帯電話番号にご連絡ください。